北條ダンススクール60周年記念舞踏晩餐会

須田雅美

2010/8/30

2010年8月8日(日)帝国ホテル孔雀の間に於きまして、北條ダンススクール60周年記念舞踏晩餐会を開催致しました。 本当は昨年が60周年だったのですが、一昨年に横浜の7周年を開催したばかりだったので、大きなパーティーを続けては生徒さんにもスタッフにも負担がかかるだろうという思いから、開催を1年延ばしていたのです。パーティーシーズン真只中にもかかわらず、本当にたくさんの方にご参加頂いたおかげで、特別なパーティーを盛大に催す事ができました。アマチュアデモンストレーションにご出演下さった皆様、ご協力頂いた先生方、各業者の皆様に御礼申し上げます。 ダンススクールのいわゆるダンスパーティーというものは、ホテルのバンケットルームにダンスフロアを敷き、アマチュアデモンストレーションといわれる生徒さんの発表会に続きディナータイム、ダンスタイムなどがあり、最後にプロフェッショナルショータイムをご覧頂いてお開きとなるのがごく普通の流れ。 今回は特別な催し物なので、通常のパーティーよりも「特別感」を出すことに神経が注がれました。そこで会場は、50周年記念でも利用した、名前からしてホテルの中のホテルである帝国ホテル…しかもメインバンケットである孔雀の間と決定しました。私達が以前よりお世話になっている元ホテルマンの方に「日本一のホテルはどちらとお考えですか?」と伺うと「やはり帝国ホテルですね」という答えが返ってきた事もここを選択した理由の一つです。 さて、他に「特別感」はどう出すか?パーティーに参加する全ての人々が「参加して良かった」と思えるようにすると言えば簡単。でも、全ての人を満足させるのは非常に困難であるという覚悟とはいえ、いわゆるダンスパーティーの流れをほぼ保ったまま特別なイベントに仕上げるにはどうしたら良いのか?半年以上前に実行委員会を立ち上げて、明先生を中心にあれこれ湧いてくるアイデアをまとめていきました。

普通に考えれば、ホテルという空間イコールすでに特別。 でもホテルで開催するダンスパーティーや発表会への参加リピーターにとっては、「本日のご宴会」って案内板に書いてある主催者の名前が違うだけ。

本日のご宴会案内

会場に到着したお客様の目に飛び込むのは受付。 日本で60歳、還暦と言えば赤いチャンチャンコ…よし、じゃあ受付前にレッドカーペットを敷いてお客様全てをVIPのようにお迎えしよう!と考えました。 ポスターにもレッドカーペットを敷いて、当日の会場イメージとリンクするようにしました。 が、残念ながら予算の都合でレッドカーペットはボツ。 でも、フラワーショップのムサ・ジャパンさんが素敵なアイデアを下さいました。 「前室にお花を飾って、その足元に赤いバラの花びらを散らしましょう」う〜んシックで特別感モリモリ。

リチャードのレッスンを受けているダンサーはたくさんいます。 有名なところではセルゲイ&メリア…メリアの初めて外国人コーチャーはリチャードなんだって。 アマチュアではイギリスのニール、クロアチアのゾラン、イタリアのニーノ(アニエロ)、そしてステファノなどなど。 セルゲイ達は主にショーの振付けをしてもらっているようなので例外として、その他のダンサー達のことを「ネオイングリッシュスタイル」と明先生は分類しています。 もともとイギリスで作られたボールルームダンスは、歴史を重ねるうちに世界のあちこちに広まり、研究されて進化をしました。 そしてイギリス以外からも素晴らしいダンサーや指導者が台頭し、少しずつ個性の違うスタイルが世界の舞台で競われるようになったのが現在の競技シーンです。 広まったおかげでイギリスは、お家芸を奪われたかのように見えます。 これは、多くのイギリス人コーチが過去の栄光に甘えてしがみついていることによって起きたこと…自業自得です。

バラの花びらのレッドカーペット

いつもはスタッフが制作するポスター、プログラム、チケットもアマチュアファイナリストとして活躍したデザイナーの治面地良和さんにお願いし、印刷はモダン出版さんにお願いする事に決定。 実行委員長の明先生の頭の中に浮かんだイメージを膨らませて、何点もデザインをしてくれました。 紙質にもこだわったのでいくつもボツが出ましたが、今まで見たこともない厚みのあるチケット、おそらく業界初の「表紙に細工入り」でエレガントなデザインのプログラムができました。

厚みのあるチケットと封筒

プログラムの表紙

プログラムを開くと

中身はエレガントなデザイン

背表紙内側

プログラムの中身にも社長の思い出話がつまったご挨拶の他、長時間のパーティー暇つぶしになるような記事を…と思い、北條社長とスクールに縁の深い外国人コーチの面々にメッセージを頂き、朋子がクロスワードパズル、理恵が間違い探しを作成し、多くの企業から広告をご掲載頂きました。

クロスワードと間違い探し

アマチュアの方々の演技発表に関しては??50周年の時にはどのお席からもなるべく見やすくなるように…と、後列のテーブルを壇上にあげて会場をコロッセオ型にしました。 今回はフロアを60センチ高いステージにしたシアター型に決定。そしてそのフロアとステージの周りをお花で飾り、ステージ後の吊り看板のデザインも治面地さんにお願いしたので、「いかにも!」って感じが消えて特別感が出ました。 そしていつも通りではありますが、お一人ずつドレスの色に合わせてリハーサルから照明をつけて踊って頂き、出演の生徒さんのご要望を伺うという形式にしました。 ダンスタイムは、フロアを高くしたので安全面を考慮して無くなりました。

こんなステージと看板でした

ディナーは、ご出演されないお客様にとってのお楽しみタイム。 社長夫妻が試食に出かけ、帝国ホテル側との話し合をした結果、普通のダンスパーティーではお目にかかることができない(要するに手間がかかってお値段が張る)ようなお肉料理やデザートを皆様に召し上がって頂く事が実現しました。 これってメニューを見ただけではあまり判断できませんが、同じ名前のお料理が出されていたら「おっ☆」と喜ぶべきパーティーかも。 その他これは明先生のこだわりですが、最初にテーブルの上にビール瓶が並んでいるパーティーは日本独特の「宴会」的な雰囲気をかもしだし、スマートに見えない。 ということで、今回は60周年を記念した「60th Anniversary」というオリジナルカクテルを特別に作って頂き、皆さんに乾杯をして頂きました。 ホワイトラム・ミドリ・パイナップルジュース・グレープフルーツジュースをシェイクした、夏らしく爽やかなグリーンのカクテルでした。 パーティーの最後にはプロショータイム。さあ、どうする?たった一度きりしかない、ここでしか見る事のできないワンナイトショー。よ〜く考えなければ。

乾杯はオリジナルカクテルで

…続く