2010年UKプロラテン

須田雅美

2010/2/5

最終日はアマスタンダードとプロラテン。
どうして雨なんだよぅ(;з;)ほんとヤダ、この国の天気って…。 会場に向かう道から見える海岸には誰もいなくて寂しい感じ。 私はちょっとだけショートカットして、BICの駐車場を通って会場に入るのですが、その階段でダンスショーのポスター発見。 これはイギリスの国営放送BBCがStrictly Come Dancing の出演プロによるショーの広告でした。昔は同じタイトルの競技会放映もあったんです。 現在の番組はアメリカのDance with Starsという番組が爆発的人気を呼んだことによって制作された番組です。とっても人気があるので、競技をやめてこの仕事をきっかけにショービズの世界に入っていくダンサーもいます。

ダンスはポピュラーです

日本ではShall We Danceという番組がありましたが、やはり日本では社交ダンスというジャンルに馴染みが薄いのと、制作側にダンスをする人がいないせいで長続きしませんね。 今回はスラビックがキャンセルしないでちゃんとアナと出場するか?アナの元リーダーで、アマチュアチャンピオンだったステファノが新しいパートナーとどう踊るのか? ブラックプールで優勝して一旦は引退した、マテイがプロのフロアに復活し、どう見えるか? マリトースキーとリッカルドのアンドロイド女子対決はどちらに軍配があがるのか?それともセルゲイやフランコが優勝争いに食い込むのか?など、観客にとってのお楽しみは満載でした。

プロラテン予選

ステファノやマテイがフロアに現れると、「久しぶり〜!待ってたよ!」という気持ちのこもった拍手と歓声が沸き起こりました。 どちらの選手も、アマチュア時代におなじみだったルーティンを残していて、自分の存在を強く印象付けようという作戦だったようです。 でもこれは今回に限っては通用したかもしれないけど、何度も続ける事はできないでしょう。観客は飽きやすく冷たいからです。 今回その「観客の冷たさ」を味わったのはスラビックだったと思います。 何度もパートナーを変え、プログラムに名前が載っていても、「膝が悪い」とか「ビザの都合で」と何度も出場をキャンセルを繰り返していれば、ファンも愛想を尽かします。 そんな時に良い踊りをしても、実はもう遅い…ってことが多いのにね。実はファンの中にはジャッジも含まれているんですよ。

ステファノとニューパートナー

結果はもうご存知の方が多いと思いますが、優勝マイケル・マリトースキー2位リッカルド・コッキ3位フランコ・フォーミカ4位セルゲイ・サルコフ5位スラビック・クリクリビー6位アンドレイ・スクフカでした。 友達だからセルゲイは応援してたけど、いつものパワーが感じられなかったし、やっぱりメリアの動きはファイナルの中では際立って遅い。それを個性とは言い難いのよね。ちょっと残念。 フランコは男性の中では一番リズムもハッキリしてるし、自分の身体をコントロールして使えていると思いました。このまま腐らず、ガンバって欲しいです。 スラビックはさきほど触れましたが、いつになく集中して、まじめに踊っていたと思います。でも、なんだろ?アナの美しさがあまり浮き立っていませんでした。 でもきっと、今のメソッドを学んでいる途中だからだと信じたいと思います。 アンドロイド女子対決は、ジョアンナはどう考えても別のジャンルのダンサーだし、ユリアもリードを受けて踊るということをあきらめてしまったかのようでした。リッカルドもカッコ悪く見えてと〜っても残念。ジャッジをしながらジーっと見ていたドニー先生は、まだ彼らを教えてるのかな?今度聞いてみよう。

ジャッジのドニー先生

今回はセミファイナルに入るのがキツかった。続々とプロに転向するアマチュアファイナリストに加えて、セミファイナル常連組の各国のチャンピオン達も数組が押し出されてしまっていましたから…。

そう、コンペって運・不運も成績を左右するんです。例えば自分より上のランクの人が多いヒートに入っちゃうと、ものすご〜くいい踊りをしなきゃ次のラウンドに進めません。このときは「ちぇっ、ヒート強すぎるよ(怒)」と不運に思います。もちろんその逆もあるのですが、そんな時「実力だぁ!」ってポジティブな(?)解釈をすることが多いですね。ふふふ。

そして残念ながら、今年のUKで日本人選手には良い運がめぐってこなかったようです。でも、海外留学をしながら競技会での成功を目指している「日本のトップダンサー」と呼ばれる人達には、これからも辛抱して「自分がどんなダンスを目指しているのか」をクリアにする努力を続けて欲しいと思いました。