2009年ロンドンインター

須田雅美

2009/10/23

はじめにお断りしたいのですが…実はデジカメの充電が十分でなく、写真をたくさん撮れなかったんです。ごめんなさい。

今回のロンドンインターは、新しいアマラテンとプロスタンダードチャンピオンが生まれようとしているのに、会場が全然盛り上がらなかった事が印象的でした。ステファノは技術は上手いわけじゃないけど、華やかなアナとのコンビネーションで、明るくセクシーで楽しいラテンダンスを踊って会場をホットにしてくれていました。ミルコのスポーティー過ぎだと言われたダンスは、二人三脚のようでもあるスタンダードの難しさを、芸術的と思わせるほどのスピードで見るものや他の選手を圧倒していたと思います。

今回スタンダードの部の王座に就いたアルナス君は、王子様然としていて、白いタイツとカボチャパンツが似合いそう。確か昨年のカチューシャはハロウィンの衣裳のようなドレスを着ていたけれど、今年は王子様と並ぶにふさわしく、白いドレスで優しくまとめていました。ウィルキンスと組んでなかなか優勝できなかった時と比べると、表情も柔らかくなり、よりエレガントに見えました。もちろんそれは、彼らのダンスが正統派のイングリッシュスタイルのダンスだからでしょうね。対照的だったのは2位になった同じアメリカの選手、ヴィクターとアナ。同じ黒髪だけどアジア人でもイタリア人でもないこのカップルは、つい最近までは「防弾チョッキを装着した燕尾服の男性にエスコートされる深窓の令嬢」って感じでした。でも今回の彼らは違っていました。何かの感覚に浸るようにトローンとした目にちょっと開いた口の中で舌が動くヴィクターと、彼の動きに敏感に反応しすぎるようにも見えるアナは、令嬢から女へと変身を遂げたようにも見えました。彼らのダンス、なんだかちょっとエロくなりました。いずれのカップルも、テクニック的な事は抜きにして、印象だけで言えば好き嫌いはあるでしょうねぇ。

さて、ラテンの部。スラビックはいつものように(?)ビザの都合で欠場…もういい加減に彼のファンもうんざり。スクフカがメリンダと出場…ドニーいわく、何度でも墓の中からよみがえって硬いダンスを踊るゾンビ。これに負けちゃったマーカス・オムは気の毒だ…多くの観客の談。セルゲイはすっごく集中してて素晴らしかったけど、メリアはファイナルで背中がカチンコチンに固まってしまい、友人としてはハラハラさせられた。ドニーいわく、「くそメリアっ!殴ってやりたかったぜ。」フランコは予選のインターバルで「テメ〜重いんだよっ!」とオクサナを罵倒していたという情報を後で入手しましたが、ダンスも「おっ!今日は調子いいじゃん!」と思わせてはすぐに踊らなくなっちゃう;just walking…残念。ユリアは「冷たい」と散々言われているようで、可愛らしくダウンスタイルの髪型で参戦でしたが、お団子にしていた方がいいみたい。金髪でガリガリだから白髪のおばあちゃんみたいに見えるけど、彼女のカンフー並みに速い動きにはピッタリだった。リッカルドは全ての種目が同じに見えてしまうような表現力に成り下がり…ジュニアかジュブナイルみたいな印象。あくまでも以前の彼と比較しての話ね。男女ともバランスが取れていて見た目も悪くないし、良く踊るし…彼らがチャンピオンだってOKですよ、私はね。でも、今回も優勝したのはマイケル・マリトースキー&ジョアンナ・ルーニスでした。これが今のラテンダンス界を牽引しているダンスなんだ!と言われても、全然ぴんと来ない。だってラテンアクションがないんだもん。コネクションとアクションの法則が成立してないし。彼女はサイボーグみたいでマジすごいけど、マイケルは人の良い農夫みたい…おっと言いすぎた?

あんなアクロバティックな動きはできないでしょ!とマリトースキーを優勝させるジャッジ、リッカルドとユリアが彼らを圧倒するようなパフォーマンスをしてくれるのを願いながら、それが叶わずリッキーに1位をつけられないジャッジ…うん、確かに今回のジョアンナ達は「sustain」と彼らの師匠が表現するような、ス〜ッとした静けさを保持する時間を多くして、速いアクロバティックな部分とコントラストをはっきりさせていました。人を興奮させはしないけど、感心はさせますね。でも、ラテンダンスの競技会を観たら「わ〜!楽しそう!」って、単純に思いたい…私なら。

数組のダンサーが同時に、同じフロアーで踊ってコンテストを行うダンスはあまり多くありません。ストリートダンスやレクリエーションダンスの分野ではあるとしても、芸術的な分野では皆無でしょう。他人と比較されながら評価を下されるダンスでは、技術の正確さ、スピードの速度やエネルギーの大きさのコントロール、またそれらの使いどころのタイミングが的確である事、もちろん見た目が個性的で見苦しくない事などなど、様々な要素をほんの数秒で比較・判断されてします。当日の偶然によって素晴らしいパフォーマンスが披露できるものじゃないって事を、すでに経験済みの人達がジャッジをするのですから、日々の努力として「僕達、ダンスに命かけて頑張ってます!的な行動」も大切です。

はぁ、ダンスって大変…ただキラキラしたドレス着て、にこやかにクルクル回ってるだけじゃダメなのら。

日本ではこのもじもじがアップされる頃に仙台でJBDF選手権が、そして11月3日には全日本選手権が東京で開催されます。

選手の皆さん、頑張って!!!応援団も頑張りましょう!!!MASAMI