ごんちゃん

須田雅美

2009/1/9

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
2009年も「もじもじまさみ」を少しずつ更新していきたいと思っています。
どうぞ宜しくお願い致します。

今年の干支は丑(うし)。牛ってのんびりしていて、癒される感じのキャラですよね。イギリスでは高速道路沿いの農地で放牧されている姿を見かけます。5月ブラックプールの時期だと青々とした芝生の上に寝そべったり、もしゃもしゃと口を動かす牛達…タンポポの黄色が良くお似合いです。運転する明先生に申し訳ないと思いつつ、窓の外をボワ〜っと見ていると癒されて…いつしか夢の中。窓の外には色んな景色が広がります。牛のほかには白や黒の毛玉のように見える羊、脚のカッコイイ馬がとても自由に動き回っている姿も見ることができます。あ〜でも私はさぁ、ブタちゃんが好きなんだよねぇ…。ベイブっていう映画に出て来るようなキュートなブタちゃん。ブタちゃんやアヒルちゃんに遭遇するのは高速道路沿いではムリですね。いつかはピーターラビットの故郷である湖水地方を訪れてみたいと思います。

私は動物って結構好きです。私の家族は生き物が好きで、犬、インコ、ブンチョウ、ハムスター、メダカ、熱帯魚、カブトムシ、クワガタ、スズムシ…記憶しているだけでも結構色々なペットを飼っていました。この中でも思い出が多いのは、人間にフレンドリーな犬達です。ポメラニアンの花子、マルチーズの太郎、雑種のコロ、そして現在私の両親が飼っているのはシーズーのごんちゃんです。相当の高齢だと思うのですが、実際の年齢は分かりません。なぜなら、ごんちゃんは子犬の頃我が家に迷って入ってきてしまったからなんです。その当時、まだ雑種のコロちゃんがいたのですが、実はそのコロちゃんも我が家に迷い込んできてしまった犬だったんです。

このごんちゃん、高齢のために目が見えません。シーズーは目が大きいので眼球も傷が付きやすく、白内障になりやすいとか。ごんちゃんの左目は白内障のため真っ白。乾燥のせいで目を閉じることもできなくなってしまいました。両目ともレンズがずれたり、角膜が垂れてしまって失明状態。2004年の1月、お散歩をさせていた時に側溝に落ちてしまい、変に思った父がお医者様に見せて失明が発覚したそうです。心臓も悪く、時々発作のようにケッケッと毛玉を吐くような咳をします。歯はもう何本も残っていないかも?歯槽膿漏でお口が臭いです。そしてつい先月のことですが、肛門付近にできた陽性の腫瘍を取り除く手術をし、なぜか理由は分からないけど虚勢の手術も受けたらしい。もうおじいちゃんなのに!!かわいそうだよ〜〜(TдT)気の毒だ。祖先はチベット高原原産の犬なので寒さには強いはずだけど、毛を短くカットしてあるし、おじいちゃんだから常に震えて…シーズーなのにブルブルドックって言われてます。あ、「ごん」という名前は、迷い込んできた1997年にJリーグで大活躍していたゴン中山さんに由来します。実は我が家にはサッカーファンがいないのですが、そのぐらいすごい活躍だったんですね。

ごんちゃんのお気に入りは「おとうさん」。お散歩に連れて行っても疲れてしまうので父に抱っこのおねだり…まるで私の父から生える枝のように抱かれています。彼らはず〜っとくっついていて、指定席は父の隣の椅子か膝の上。本当に愛し合っているのが良く分かります。ごんちゃんはもともと雑食に(甘やかして)育てたので、人間の食べるような味の濃いものも父が噛み砕いてあげると喜んで食べます。ソーセージやちくわは当たり前。以前は鳥のから揚げやとんかつも油分を取り除いて食べさせていました。夏には父とあずきアイスをシェアしている(゜□゜)ソレハマズイヨ、オトウサン。老犬なので食欲が無いときも多いらしく、そんな時には母や甥っ子が励ましたり、美味しそうな香りづけをしてあげて、なんとか食べさせているようです。ごんちゃんは美容院に行くだけではなく、毎日両親とお風呂に入ります。といっても、お風呂のフタに乗せられて、身体を拭いて歯を磨いてもらうのです。そして両親のベッドで一緒に寝ます。先日驚いたのは自分達より先にベッドに寝かしつけた時に、私はごんちゃんがベッドから落ちないか心配で「大丈夫?」と聞くと、「ラジオを掛けたから」という答え。何じゃそりゃ〜(・◇・?)「音がしてれば寂しくないだろ!?」と父。ペットは家族の一員だと良く言いますが、我が家ではまさに家族そのもの…愛情たっぷりに扱われています。まるで赤ちゃんに話しかけるようにごんちゃんに話しかけているので「この人達ダイジョウブかしら?犬になんか話しかけたりして…」と他人様から見られるのではないか…とちょっと心配してしまいますが、気付くと自分も同じようにしてるんですよね(>з<)。父はごんちゃんの介護生活を「のぶごんの縁側日記」という自分のブログに綴っています。一昨年の5月に開始して一日も欠かさずアップされているので、渡英した時も携帯でブログをチェックしています。ごんちゃんを囲む家族の様子を知ることができ、初めて渡英した頃には考えもつかなかった情報技術の進歩に感動をしますが、毎日見ていると帰国をしてからの請求書に目の玉が飛び出しそうになります。

ダンス仲間にもペットを飼っている人がたくさんいるし、自分でも「欲しい!」と思ってしまいます。でもごんちゃんを見ていると、病気になったり年をとったりした時に面倒が見てあげられるかな?と考えると、私の仕事では無理だという結論に達するのです。ほとんど毎日、朝出たっきり夜中まで帰宅できないし、出張が多いし。それに自分自身も、ペットが気になって仕事に集中できなくなるような気がして怖いのです。我らが師匠のドニー大先生も、ず〜〜っとガマンしてたもんなぁ、犬を飼うのを…。そうそう、実はごんちゃん、ドニーにも会ったことがあるんですよ。ドニーは挨拶を交わす時、電話の時でさえも「ごんちゃんは元気かい?」と聞いてくれるんです。今年の元旦には「あけましておめでとう!…雅美とごんより」って携帯から写真とメッセージを送ったんです。そうしたら「Kawa‐ii !!」と即行で返事がきてビックリ!大事なメールにも返事をなかなかくれないのに…。ハサミもペットも使い様ですか??サウジアラビアではペットをダシにして男性が女性をナンパしちゃうのが流行ったり、散歩のふりをしてデートをしちゃったりする若者が増えてしまい、イスラムの戒律に反する!と、犬猫の散歩が禁止になったとか…。日本ではプッて吹き出しちゃうようなニュースだけど、確かに海外ドラマや映画の出会いのシーンではペット、特に犬が登場することって多いかも…。

う~ん、良く考えよう。