よっちゃんのぶっちゃけた話
File 34
“最近こんなこと考えてる”
2006/1/1
先日、歯医者の帰りにふらっとCD屋に入ったら、僕の好きな平井堅の新しいアルバムが
出ていました。最近は忙しくて音楽を聴く余裕も無かったので、久しぶりに聴いてみようかな
という思いで買ってみました。新しいアルバムといってもこれまでの10年間にリリースした
曲を集めたものなので、どれも聴いたことのある曲ばかりです。彼の曲で僕が一番好きなのが
'even if'という曲です。簡単に詞を説明しますと、友達のように接しているけど、
実はその女性に想いを寄せている男性が、お気に入りのバーに彼女を連れ出すのですが、
彼女には恋人がいて、彼にもらった指輪を眺めたり、彼の話ばかりするのです。自分の想いを
伝えたいのだけど踏み切れず、せめてグラスのお酒がなくなるまで、終電の時間になるまでは
自分のものであって欲しいと願う心切ない唄です。そしてこの曲からは全体を通して、自分に
与えられた時間が刻一刻と減っていく寂しさが感じられてきます。僕がこの曲に思い入れがあ
るのには訳があって、確かこの曲がリリースされたのが何年か前の11月ぐらいだったと思う
のですが、毎年この時期は学連の4年生が引退を間近にして最後の追い込みをしていて、
教えている僕としても、「彼らを教えるのもあと1ヶ月、1週間」というふうに、自分に
与えられた時間が無くなっていくのをヒシヒシと感じる時期なのです。迫りくる別れの時に
対する悲しみという点で、'even if'の主人公の想いと重なるものがあって、
この曲が好きになりました。
'出逢いがあれば別れがある'とよく言います。たしかに子供の頃から考えても、進学する度
に別れる友達や先生がいて、この仕事に就いてからも、教室から去っていった生徒さんやスタ
ッフもけっこういます。いつか僕がダンスを教える仕事を辞める時がくれば、そこにはたくさん
の別れがあるだろうし、いつか死を迎えるときは全ての人とお別れです。つまりは、相手によっ
て時間の長さはそれぞれですが、すでに出逢っている人との時間は少しずつ減っているのです。
そう考えると、人とのつながり、普段の何気ないやりとりももっと大切にしなければいけないな
と最近思うのです。僕は正直あまりお金に興味がありません。必要だとは思いますが、お金がた
くさんあっても心は満たされないし、必ずしも人生を豊かにしてくれるとは思わないからです。
僕にとって人生を豊かにしてくれるもの、もっとくだけて言えば、自分を本当に嬉しい気持ちに
させてくれるのは、人との絆です。喜び、悲しみ、苦しみ、優しさ、努力、価値観、好み、趣味、
時間、こういったものを心に共有できることによって生まれる人との絆は、自分にエネルギーや
安心感、そして喜びを与えてくれます。たとえ物理的に離れていても、心に共有できる何かを
持っている仲間とはつながっていられる、そう考えれば、自分が接する一人でも多くの人々と
何かしらの絆を築いていけたらと思います。偶々乗ったタクシーの運転手さんや偶々入った
お店の店員さんとだって、極短い時間の中でも、互いに良いマナーを共有できれば、
「良い運転手だったなぁ、感じの良い店員だったなぁ」みたいにちょっと嬉しい気分になること
ありますよね。一つ一つはささいでも、それがたくさんあれば、心を豊かにしてくれます。
前回紹介したカップルを例にしても、遠くにいても僕は彼らの幸せを願っているし、きっと
彼らも僕の幸せを願ってくれている、そんなふうに思える人がたくさんいたなら、どんなに
心清らかに生きていけることでしょう。
'偶々出逢った人'から、'必然的に出逢った人'に変化する、そんな人間関係をたくさん築きたい、
そんなことを考えています。
今年は二組、四人の学生を送り出しました。彼らがこの先、どんな場所で、どんなふうに
生きて行こうとも、彼らの幸せをいつも、いつまでも願います。たまには遊びにおいで!
YOSHIAKI