よっちゃんのぶっちゃけた話
File 30


“‘災い転じて福となる’って言うじゃないの話”

2004/9/14




 ご無沙汰です。皆さんお元気ですか?さて、このぶっちゃけ話も今回で30回を数 え、これまでいろいろなテーマについて好きな事をたくさん書いてきましたが、 不思議なことに、僕がダンスの世界に入ったきっかけというか、いきさつについて お話していませんでしたので、そのへんのことを絡めながら進めていこうと思いま す。

 僕は今、ダンサーとして、また、ダンスインストラクターとして毎日を過ごしてい るわけですが、この道に入るきっかけの大本を辿れば、ぶっちゃけそれは、 ‘大学受験失敗’です。ずいぶん前にお話しましたが、僕は小学生のころにマイケル .ジャクソンのビデオを見たときからダンスというものに興味を持ち始めました。 中学時代は体操部に所属していましたが、部活が終わるとそのまま体育館 に残って、当時流行っていたブレイクダンスを練習していました。高校では応援団に 入っていましたが、学校から戻り夕飯を摂った後、夜10時になるとラジカセを片手 に地元の友達と大宮の氷川神社に続く参道に行って、遅くまでダンスの練習を するのが常でした。こうしたヒップホップ系というかストリート系のダンスをする かたわら、1950年前後に多く作られたミュージカル映画にも興味を持つようにな り、ダンサーというものに憧れるようになりましたね。中でも大のお気に入りは、 映画‘雨に唄えば’、‘巴里のアメリカ人’、で有名なジーン・ケリーです。彼のダ イナミックなダンスと、コミカルかつロマンチックな役柄は僕にとって理想の男そのもの でした。彼に影響されて、高3の時にはタップダンスも習いに行ったものです。

 さて、そんなダンス三昧の日々を過ごしていた僕にも大学受験なるものが迫って きました。本屋に行って大学案内をめくっていると、目に留まる大学がありました。 上智大学です。正確に言うと、上智の案内本の中の小さなコラムに紹介してあった ‘ソフィアモダンダンサーズ’というサークルに目が留まったのです。詳しくは忘れ ましたが、ダンスと歌を取り入れた舞台を公演する本格的な劇団サークルという ようなことが書いてありました。志望大学決定です。その時点ですでに12月、 友達とのダンス練習も一時休止して、約二ヶ月間の猛勉強、そしていざ出陣。 上智にさえ入れればよかったので、外国語学部、教育学部、国際政経と、日程的 に可能な限り受けました。はたして結果はいかに、、、、、、、、、、、? 全滅です、残念!当然です、そんな親不孝な動機で、しかも二ヶ月位の勉強で 入れる大学じゃありません。結局、浪人を覚悟していた矢先に奇跡的にまぐれで 合格した外語大に進んだのですが、大学の規模が小さいこともあって、部活や サークルがとても少なく、ダンスと名のつくのは競技ダンス部とフラメンコ部 ぐらいでした。とりあえずという気持ちでダンス部を見学に行き、「簡単そう」 というなめた理由で入部しました。それからは敷かれたレールの上を進むように ダンスの世界に入り、現在にいたります。もしあの時、上智に合格していたら、 外語大のダンス部には入らなかっただろうし、外語のダンス部じゃなかったら、 北條ダンススクールに通わなかっただろうし、北條ダンスじゃなかったら、プロ にならなかったかも知れないし、プロになっていなかったら、これまでこの世界 で出逢ってきた人たちにも逢えなかったのです。ダンサーという肩書き、イン ストラクターという仕事、出逢ってきた人々、これら僕の大好きなものに導いた のは、あの大学受験での失敗です。

 人生の中には、‘自分で切り開く環境’と、‘与えられる環境’とがあると考え ます。そしてこの与えられる環境というものは、しばしば自分が望むものではない こともあります。先の例に置き換えれば、上智大という自分が望む環境に対して、 それを得られず与えられたのが外語大でした。もちろんもう一度受験して、自分 の望む環境を切り開くことも可能だったでしょう。でも僕は、与えられた環境に おいても、最初にやりたかったダンスとは違うものではあったけど、‘‘ダンス’’ は諦めなかったし、その結果が今の自分です。人生、全てが思い通りになる わけではありません。でも、どんな状況においても、自分がこだわるもの、諦め てはいけないものを追い続けることで、失敗は失敗でなくなります。もし与えられ た環境に自分の求めるものがなければ、その時は新たな環境を切り開けば いい。

 今回の話を書くにあたって、‘災い転じて福となる’という言葉をことわざ辞典 で引いてみました。するとそこに載っていた言葉は少し違っていて、‘災いを 転じて福となす’とありました。‘なる’と‘なす’では大きな違いです。災いが福 となるには、僕たち人間の能動的な働きかけが不可欠なのです。失敗、災い、 怪我を、与えられた環境ととらえ、その中で何かを諦めずに努力を続けたとき、 ‘失敗は成功の元’、‘災いを転じて福となす’、‘怪我の功名’といったことわざ も、実感のある言葉に感じられるのではないでしょうか。

 さて次回は、ダンスに関わる身体的感覚についてお話する予定です。いつ アップできるかは、まだお約束できませんが、、、。                                 

YOSHIAKI