London Report
NO.44
“オールイングランド ラテン チャンピオンシップス”
2000/5/15
皆様こんにちは。
4月末にあった競技会以降、毎日レッスンと練習でくたばってます。皆さんは筋肉痛になった時
どうしてますか?私達はお風呂・ストレッチ・バンテリンの3拍子です。でもロンドンにはバンテ
リンがないので日本から持って来てます。先日トニー・ドックマンが「膝が痛くて・・・」とバー
バラ・マッコールに訴えると、彼女は「タイガーバームがいいわよ。私いつも使ってるの。」とい
うので私も「赤いパッケージの方が効き目が強いよ。」と教えてあげました。タイガーバームはロ
ンドンの薬局でも買えるんです。
速報ではオールイングランドとイングリッシュオープンの結果だけをお伝えしたのですが、どう
しても皆さんに「これだけはご報告したい」ことがあるんです。それはですね、オールイングラン
ドのジャッジの中になんと、我らがお師匠様、ドニー・バーンズ・MBE様がいらっしゃったこと
なのです!!
「だって引退したんでしょ?じゃあ、ジャッジをしたっておかしくないじゃない?」
とおっしゃるあなた!チッチッチ違うんだなぁ、これが。ドニー先生は引退してから一度もロンドン
で『プロフェッショナル』のジャッジをしたことがなかったんです。ブラックプールやロンドンイン
ターナショナルなどのビッグタイトルのジャッジを頼まれた事も過去にはあったのですが、なぜか自
ら断ってしまっていたんですよ。「ジャッジなんかつまんないよ。競技会を観ていた方が楽しいから、
俺はジャッジはやりたくないんだ。」なんて言っていたんです。そのくせ その日の結果に納得がい
かないとブツブツ・・・というか大声で文句をいうので、「だったらジャッジとして何が良くて何が
悪いのか、世間に知らしめるのが15回も世界チャンピオンをとったあなたの責任でしょ!」とお説
教(?)しなくてはなりませんでした。・・・がしかし、どういう風のふきまわしか、オールイング
ランドのジャッジを・・・ロンドンでの記念すべき初ジャッジをしてくれたのです。拍手ーパチパチ
パチ。
私は昨年のロンドンインター後のロンドンレポートをお読みいただくとわかるように、ドニー先生
に競技会中チェックされている事が大変苦手です。蛇に睨まれたカエルのように「汗たらたら、身体
は硬直」になってしまうので、この日も「はぁ・・・ドニーがジャッジなんてプレッシャーだな・・
・」と言っていると、明が「硬くなる事なんかないよ。だってジャッジっていったらほんのちょっと
しか1つのカップルを見てる時間ないんだよ。」と言うので、「それもそうだ。」と気持ちが和らい
だのです。
さて予選が始まりましたが、私達は昨年度のセミファイナリストだったのでシード権があり、一次
予選は踊らなくて良いことが当日会場に到着してから判明したので、まずはドニー先生のジャッジ姿
を観察することにしました。ジャッジの紹介で「ドニー・バーンズMBE!」と呼ばれるとついつい反射
的に「ドニー!」と叫んでしまうのは、長年サポーターとして応援してきたサガでしょうか?ドニー先
生はジャッジをしている時に眼鏡をかけます。でもこれはご自分の物ではなく、3年ほど前の彼女兼秘
書の置き土産です。かっこわるー(T_T)また、ドニー先生はジャッジをしている時、フロア中よく動き
回ります。これは1箇所にジーっと立っているジャッジが多い中では大変珍しい事なのですが、前から
も後からもダンスを見て、良ければチェックを入れる・背番号が見えなければ自分が動いて見に行く
・・・とても親切なジャッジの仕方だと思います。でも、あまりにあちこち動き回るので、
「選手よりもよく動いてたよ」とか、「あんまり動くとお前(ドニー)にチェックを入れちゃうじゃ
ないか」等と、他のジャッジから言われてしまったそうです。それからもう1つ、ドニー先生は大変
正直な方です。「バカ」がついてしまうほどの正直さで、しかもすぐに態度や表情に現れてしまいます。
ですからこの日も先妻のトーナに「すぐに呆れたり、唖然としたり、笑ったりしちゃだめ!ジャッジなん
だから顔に出さないで!」と叱られたそうです。でも、ファイナルソロで裏カウントで踊ってた人に対し
ては「やってもよーし!」
どうせそんなに見てられないだろうと踊り始めた2予選目・・・あれ?なんだかドニー先生の視線が
気になるなぁ・・・でも気のせいかな?と思いつつ踊り終え、次の予選の準備をしていると、まず奥さ
んのニコルちゃんが派遣され、ドニーからのアドバイスを伝達に・・・その後先妻のトーナもアドバイ
スに来て下さり、恐縮しつつも次の予選での目標ができて気持ちが高まってきた所に、なぜかドニー先
生登場。そして明&雅美は固まった・・・「あんた ジャッジでしょ?こんなとこに登場していいわけ?
普通いけないんじゃない?ねぇ、私達が袖の下渡してると思われたらイヤだから早くここから立ち去って
くれー」と心の中で叫んでいました。でも彼は私達の事が心配で仕方が無かったらしい・・・ワンポイン
トアドバイスをして立ち去りました。泣かせるねぇ。
結局ファイナルまでドニー先生の視線は私達にク・ギ・ヅ・ケ・・・?競技会を最後まで観ていた横田
カップルによると「一曲の4分の3ぐらいずーっと明先生達のことだけを見てましたよ。」だって。確か
に、なんだかレッスンを受けてる時のように まん前に立ちはだかられてた気がしたのよね・・・そんな
ジャッジ過去にいないでしょう。嬉しいような、ちょっと恥かしいような・・・
この競技会のもう1つの目玉は「旗揚げ」です。旗揚げとは、全てのジャッジが誰に何位をつけたか観客
の前で公表するシステムです。私達はドニー先生がどんなジャッジをするか 大変楽しみにしていました
(自分のことは除く・・・)。アマチュアの結果発表を見て、「うーん、さすがドニー先生だ。私達とジ
ャッジの仕方がほとんど同じ!!」と喜んでいました。ドニー先生は順位のボードを上げる時に、
「俺は絶対こう思う!」と主張するように、ジャケットのショルダーパッドが上がってアゴについてしま
うほど思いっきり高く掲げていました。その姿はカッコ良くも、またまるでだだっ子のようにも見え、
その日出場していた日本人選手達に大ウケでした。が、いざ自分達の番になると「ドニー先生、お願い
しますよー」という気持ちと「でも、公正なジャッジをお願いします」という気持ちが複雑に入り混じっ
ていました。結果、ドニー先生は私達に1・2・1・2・1と大変高い評価をして下さったのですが、
総合の結果は4位に終わりました。私達がドニー先生の生徒だということを知らない観客は「どうして
あの東洋人をドニーは好きなんだろう?」と不思議に思ったことでしょう。いまだに「東洋人=ダンス
下手」という先入観で観ている人は結構多いのです。でもいいんです。今回はドニー先生の英国内初
ジャッジ競技会と旗揚げを経験できたし、なによりジャッジの立場に立ったドニー先生にダンスを見て
もらえたのは大きな収穫でした。・・・その日フラットに帰って早速ドニー先生と反省会と次の作戦を
練りました。
AKIRA&MASAMI

ジャッジの判定で“1位”を挙げるドニー先生と明・雅美組
(手前で「1」と書いてあるボードを高く掲げているのがドニー先生で、
他の選手より1歩前に出ているのが私達です。)

ドニー先生と北條 明
(全日本チャンピオンいや東洋太平洋チャンピオン(?それはボクシング)として、
日本人いや東洋人の意地をブラックプール戦で見せてみせます。)