もじもじまさみ
NO.6
“UK戦を振り返って”
2006/2/8
少し時間が経ってしまったけど、だからこそ冷静にUK観戦を振り返ってみましょう。
今年のUKはあまり盛り上がらないコンペでした。例えばプロラテンの部では、いわゆる
ファイナリストと呼ばれるダンサーが4組も出てないんですから!もちろんスター候補と
いえるようなターンプロしたばかりのカップルも何組かいましたよ。でも、なんでかな?
盛り上がらなかったなぁ…なんだか客離れしてるみたいです。普通なら、アマチュアで
最近まで一緒に戦ってきた仲間達がモノスゴイ応援をするものなんですけどネェ。
例えば、ちょっと懐かしいルイ・アムステルなんかがアマチュアで活躍してた頃なんて、
鳴り物入りで応援してましたから(@□@)フットボールの試合かい?って、それはそれは驚いたもんです。
観客の反応は正直ですね。要するにスッゴク応援しなくても、ファイナルに残る事が
予測されちゃってるから、わざわざ力を入れて応援をするという人が少なくなってしま
ったのではないかしら?そりゃあそうだよねぇ、アマチュアでベスト24が精一杯だった
ようなダンサーが、いとも簡単にセミファイナル進出…なんていう事が起こるんだから。
ましてやアマチュアのファイナリストならそのまんまプロでもファイナリストになりそうですよね。
このような事は過去にも起こっていた事ではあるんです。実際、私達が現役で戦っていた時だって
「あんなヘボチンに負けるもんか(`´)」と思っていても、悠々と上を行かれてしまい、
「お前たちがアイツらに負けるなんてあり得ないよ…」ってコーチャーや友人に慰められたり、
悔しい思いもしてきました。
引退をした今、ジャッジの視点と観客の視点の両方を持ちながら全ての競技を見ていると、
ますます頭の中にハテナ?マークがぐるぐると浮かんでしまうのです。今回のUKでもアマチュア
からプロに転向したカップルが何組かいました。その中で、才能と知識を持ち合わせて満を持し
て転向し、現在のレベルに見合った成績だったカップルは何組いるのだろう?言い換えれば、
現在のレベル以上の評価をされているカップルも多いと思うのです…もちろん個々のカップルが
どうこうという訳ではなく、競技会のフロアで比較をした上での話です。自分の実力以上の成績を
受け、自分の能力を勘違いしてしまう選手達も少なくないとしたら、誰の責任でしょう?そうですね、
まずはジャッジの責任です。そしてその後の成長は本人とコーチにかかってきます。
「アマチュアの時に活躍してたから…」などという理由でろくに比較もせずに点数をあげてしまっている
ジャッジもいるのではないか?というのは私の最大の疑惑です。例えばフロアでのいわゆる「アピール」と
呼ばれるパフォーマンスやカリスマは長年のアマチュア競技会で比較されながら身につけたものです。
本来、プロもアマもベーシックテクニックやベーシックステップを駆使して音楽表現や身体表現を発展させ、
洗練された美しい動きを競い合っているはずですから、比較対象が変わるだけですよね。
もちろんベテランのアマチュアもいれば、ビギナーのプロもいます。どちらがどうだ…というのは問題では
ありません。どんなに知識があってもそれを実際に身体を使って音楽にのせて表現できなければならないし、
どんなに身体を使って音楽を表現しようとしていても、正しい知識を持たずに美しいダンスを踊る事は
できません。ですからジャッジはボールルームダンスの本質を把握した上で、フロアで踊るカップル達の
総体的なバランスを比較し、採点するよう心がけなくてはならないと思いました。
その他気がついた事を2〜3…ドレスの傾向はラテンに関しては大した変化はないように見えました。
少しフレアスカートが多かったかな。一時期よりもフリルや羽飾りは随分少なかったように見えました。
逆にスタンダードのドレスには飾りとして羽の部分付けが復活したように見えました。音楽の表現や振り
付けの構成は、ラテンでは引き続きステップ数が少なく、トリッキーなステップも減る傾向にあるようです。
今回は特にベーシックのタイミングだけを変えたフィガーを取り入れているカップルも多くなったようでした。
また、「カップルダンス」という事と「基本のリズムダンス」を明確に打ち出したカップルが勝ち上がり、
上位に立つという結果であったと思います。これはジャッジもきちんとラテンダンスの本質を大切に考え
ようとしている証で、とても良い傾向だと思いました。スタンダードに関してはここ数年ラテンよりも
発展しているようですが、ただ正しく美しいだけではなく、スピードや反射神経を駆使しつつ全ラウンド
踊りきらねばならない…振り付けの構成もそのように変化しているので、確実に体力も運動神経も以前に
増して必要なダンスになっていると思います。そしていわゆる「ホールド」とか「フレーム」なども変化を
しています。こうしてみると若い選手の方が頭の柔軟性においても体力的な面でも有利ではありますが、
それに加えて当然のように音楽性と、それを表現するためのコントロール力が求められるのがこのダンス
競技ですから、キャリアを積んでなお、人一倍の努力をしたものが上位に勝ち上がる…といった状況にあると
思いました。
競技をしている皆さんも、ジャッジの皆さんも、指導する立場の人も、競技はしてないけど踊ったり見たり
するのが好きよ、という皆さんも…「現在」のダンスを目指しましょう。世界は今日も動いていますよ。
MASAMI