2003 WD&DSC World Medalist Dance Championshipの審査について

北條章宏

第1回ワールドメダリストダンス選手権のジャッジのためフランスの24時間耐久自動車レースで有名なパリから西へ300km位西側にあるル・マン迄行って参りました。

12月12日(金)
フランス航空AF-279便にて成田から10時シャルルドゴール空港へ向けて出発しました。毎年この時期はお正月休み前なので、普通飛行機は空いているのですが、この日は満席でした。乗客のほとんどは日本人でグループでヨーロッパを観光する人達でした。12時間30分後無事シャルルドゴール空港へ定刻より30分遅れで15時頃到着いたしました。空港には顔見知りの今年からWD&DSCのセクレタリーに就任したドイツ在住のイギリス人スチュアート・アンダーソン氏が迎えにいらしてくれました。久しぶりの面会を握手で交わし他の国から来る審査員、選手と合流し、バスにて5時間かけて約22時頃、ル・マンに到着しました。ホテルは街外れにあるノボテルというホテルで、周りには何も無く寂しいところでした。

フロントで鍵を受け取り、部屋に入り荷物をとき、すぐさま空腹を充たすべく主催者が用意してくれたディナーをいただくべく、レストランに行きました。その中には顔見知りの審査員、選手がいて、1時間くらい食事をしたり、お話をしてその日は過ごしました。

12月13日(土)
本日開催される競技会は

  1. ワールドアマチュアメダリスト選手権大会
    この大会は今年初めて開催される記念すべき大会でWD&DSCの中のソシアルダンスブランチが2002年の会議の中で決定した大会です。主旨としてはIDSF公認の競技会より少しレベルを下げて、プレアマチュアのランクの世界選手権ということでした。もっと判りやすく言えばBクラス位の選手権と考えればお判りと思います。大会はスタンダード、ラテンアメリカン共3階級に分れています。ユース選手権(21歳以下)、アダルト選手権(21歳以上)、シニア選手権(35歳以上)と分かれていて、それぞれ3階級のワールドチヤンピオンが誕生します。この大会を開催することによって、アジアの国々を含めて、特定の国ではなく多くの国の選手に還元されると考えています。出場国はロシア、ウクライナ、ポルトガル、リトアニア、ブルガリア、香港、フランス等でした。スタンダード、ラテンアメリカン共にロシアの選手が圧倒的に強く、ほとんどの部門でチャンピオンに輝きました。第2回大会は2004年4月25日(日)香港での開催が決定しております。各国代表選手はスタンダード、ラテンアメリカン共5組まで出場できるそうです。私の印象としては、IDSFをかなり意識しての大会であると感じました。
  2. ヨーロピアンラテンアメリカンプロセグエ選手権
    出場参加国はイタリア2組、ドイツ2組、オランダ2組、イギリス1組、ポーランド2組、デンマーク2組、ロシア2組、ベルギー1組、フランス2組、ノルウェイ1組、チェコ1組、以上18組の選手で行われました。方法は日本のセグエ選手権と違い普通の競技会と同じく、第1予選、準決勝、決勝と1組ずつ演技を行います。決勝まで進むとすると同じ踊りを3回踊らなければなりません。準決勝へは12組が残り、決勝には8組が進出しました。日本のようなテーマを付けて、ストーリーを持たせるのではなく、ただメドレーを踊っているような感じがしました。衣装もセグエ用ではなく、普通の5種目競技に使用するものでした。優勝したのは今年日本インターに来日した、ポーランドのマルトフスキーとジョアンナ組でした。日本では普通、セグエは3種目以上で構成されなければいけませんが、彼らはルンバ1種目のセグエでした。でも、技術、パフォーマンス、共に一流であったと思います。
    結果
    1位・ポーランド
    2位・ベルギー
    3位・ドイツ
    4位・イタリー
    5位・イギリス
    6位・ロシア
    7位・デンマーク
    8位・フランス
    の選手でした。フランス語のプログラムのためよく解りません。
  3. フレンチオープンプロラテンアメリカン選手権大会
    16組の選手がエントリーしてありました。参加国 フランス6組、ポーランド1組、ウクライナ4組、ロシア3組、ベルギー1組、ドイツ1組 大変さみしい試合でした。この試合を見てもそうですが、いつも海外にきて感じるのは、日本のプロの多さには驚かされます。結果はフランス人の組が優勝しました。
    フレンチオープンプロラテンアメリカン選手権大会

全部の大会が終了したのが夜中の12時30分。12時間も会場にいましたから大変疲れました。会場は3,000名位入る場所で観客は1,500人位かと思いました。大会終了後、この大会の別室で審査員、選手、関係者全員で打ち上げがあり、色々な国の人とおしゃべりをし、終了したのが約2時頃でした。

12月14日(日)
朝8時30分、バスに便乗し、オルリー空港経由、シャルドゴール空港へ送っていただき、私はそこからタクシーでパリの街へ向かいました。本日の宿泊先プラザ、アテネホテルへ到着したのが15時頃でした。チェックインを済ませ、昨日の大会をTV3チャンネルで16時20分から18時まで放映されるというのでTV観戦をし、その後少しパリの街を歩きましたが、日曜日のためほとんどのお店がクローズで買物もできませんでした。ただ、クリスマスシーズンとのことで街のあちこちのイルミネーションが大変楽しかったです。レストランも日曜日は休みで、しかたなくホテルのレストランで夕食をとりました。

12月15日(月)
タクシーを空港まで予約をしていたので10時にホテルを出発し、ドゴール空港から13時15分発AF-276便にて無事翌朝日本へ帰ってきました。とにかく大変忙しい旅でした。

進行役、司会をしているフランスの代表

セグエを踊るポーランドの選手

セグエを踊るノルウェーの選手

ヨーロピアンセグエ選手権の表彰式

フレンチオープンの表彰式

フレンチオープン・プロラテン優勝者のテレビインタビューをしている場面

ワールドアマチュアメダリスト・ラテンユース選手権大会の優勝者(ロシアのカップル)

審査員(左からキース・クリフトン(英国)、北條章宏(日本)、マルセル・デュライク(オランダ))

パリのクリスマスの風景